今回は他システム連携の要件定義タスクの進め方について、概要を解説します。
システム構築フェーズの最初の工程は要件定義工程です。
要件定義工程はアプリケーション開発、インフラ構築、ユーザー展開、運用保守、移行、他システム連携、それぞれの観点に対して各種要件を固め、計画を具体化する工程です。
システム構築フェーズの一番最初の工程であり、お客様との密なコミュニケーションが必要で難しい工程でもあります。
今回は要件定義工程の中でも他システム連携で実施する要件定義を解説します。
要件定義工程は経験がものをいう上流工程ですので、上流工程に強くなりたいと思うなら、知識を吸収して機会があれば積極的にチャレンジしてみると良いと思います。
他システム連携における要件定義ではインターフェース方針を精緻化し、外部インターフェース一覧を確定する
他システム連携における要件定義の作業は、インターフェース方針を精緻化し、各システム担当者と外部インターフェース一覧を確定することです。
要件定義(他システム連携)のアウトプット(成果物)としては、インターフェース方針書(改訂版)と外部インターフェース一覧(改訂版)になります。
それでは詳しく見てみましょう。
インターフェース方針を精緻化し、外部インターフェース一覧を確定する
インターフェース方針を精緻化する
インターフェース方針書は、外部システムとのデータ連携における方針(全体像や大まかな考え方・連携対象・連携方式など)をまとめたものです。

規模の小さいシステムの場合は、システム化方針書やプロジェクト方針書の中に章立てとしてインターフェース方針が定義されます。
構想立案フェーズでは概算見積を行うために、一旦想定レベルで連携が必要なシステムとその方式を洗い出し、仮置きの状態も含めた外部インターフェースの定義を行いました。
要件定義では、アプリケーション開発で定義した機能要件もインプットにしつつ具体化し、インターフェース方針書の中で仮置きになっていた部分や曖昧な部分を精緻化します。
外部インターフェース一覧を確定する
精緻化したインターフェース方針書を基に、外部インターフェース一覧の精緻化を行います。
ここでいうインターフェースとは、新しいシステムと連携するシステム間のデータの連携(受渡し)を指します。
外部インターフェース一覧には、連携するシステムとのインターフェースの全量と、各インターフェースの要件(骨格となる概要)が定義されます。
インターフェースは連携するシステムありきの話なので、自分たちだけで決められるものではなく、当該システム担当者とすり合わせが必要です。
外部インターフェース一覧では、各インターフェースに対し以下のような項目を定義します。
- 連携するシステムID・システム名
- インターフェース名(例. 取引先マスター連携、在庫データ連携)
- 連携データ(概要、データの粒度(伝票単位、明細単位など))
- 送信/受信(連携先へデータを連携するなら送信、連携元からデータが連携されるなら受信)
- 連携タイミング(日次、1日に9:00, 12:00, 15:00の3回など)
- 連携方式(バッチ連携(ファイル)、リアルタイム連携(API)など)
- データ量(1回あたりのレコード件数/ファイルサイズ)
- 障害発生時の対応方針(障害データを除外して再連携を行うなど)
外部インターフェース一覧の粒度はインターフェースの単位となります。
連携するシステムの単位ではないことに注意が必要で、1システムで複数インターフェースがあることを前提とします。
外部インターフェース一覧を作成する際に、連携するシステムを一覧化した外部システム一覧(システムID、システム名、システム概要、管掌部局など)も整理しておくとよいと思います。

外部システム一覧は、システムリリース後も含め、何か調査が必要になった時に、影響を漏れなく把握するのに重宝します。
概算見積に対して連携システム側のコスト・スケジュールも忘れずに反映する
他システム連携で忘れてはいけないのが、コスト・スケジュールへの影響です。
新しいシステムとの連携に際し、連携するシステム側でも改修などの作業が発生します。
その作業のコストは誰が持つのかとなると、新システム構築プロジェクト側で持つことが多いので、当然コストに影響する可能性があります。
新しいシステムに対するコストは概算見積から漏れにくいですが、連携システム側のコストについては漏れやすいので、忘れずに含める必要があります。
要件定義完了時点でコストとスケジュールの概算見積を確定するためにも、連携システムやインターフェースを過不足なく明確にし、それぞれの連携方式・連携データを見据えて連携先システム担当者とコスト・スケジュール・前提条件をすり合わせておくことで、概算見積を精緻化することができます。
まとめ
要件定義(他システム連携)タスクでは、インターフェース方針を精緻化し、外部インターフェース一覧を確定します。
要件定義(他システム連携)を通じて、行うべきことは以下の2つです。
- 要件定義完了時点でインターフェースに関わる作業量や外部システムの改修費用を見極め、より精度の高い見積を行い、必要に応じて予算やスケジュールを見直します
- 次の基本設計工程にて、インターフェース設計を行うにあたり、設計対象(スコープ)を決めておきます
より詳しい内容を知りたい方は、以下の書籍をオススメします。
SEノウハウ–要件定義編

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